アートを学ぶのか、アートを応用して学ぶのか

応用インプロとは?

インプロとは

応用インプロの前にインプロを説明します。インプロとは improvisation の略で、即興、即興ですること、という意味です。ジャズを聴かれる方には馴染みのある言葉かも知れません。即興の音楽、ダンス、そして演劇やコメディもインプロと呼ばれています。

その中の即興コメディや演劇の歴史は古く、16世紀にイタリアやその他ヨーロッパの各所で大衆即興演劇である ”コメディア” が流行し、その後も演劇の発展に影響を与えました。そして、1970年前後にキース・ジョンストンとヴィオラ・スポーリンによって、別々に教育手法として再発明されました。

例えば創造性を醸成する方法としてインプロのトレーニングを実施すれば、芸術に限らず、人生の多くの場面で即興をより身近に難しいものではないと感じることができます。これには直感の活用の学習、即興に必要なスキルとその重要性を技術的に理解することが含まれます。インプロを学ぶことの利点は世代を超えて、コミュニケーション、意思決定、協働、人間関係(社会的交流)、自信、積極的傾聴、身体的な意識、不安への対処などがあり、これらの改善や促進が研究によって証明されています。

応用インプロとは

インプロは、主にアート分野での即興ショーやトレーニングのことを指す言葉です。そのインプロの教育手法をビジネスや医療の分野のために応用したものを応用インプロ(Applied Improvisation)といいます。芸術の世界とビジネスの世界での応用をしっかり分けるためにある言葉で、この部分を曖昧にすると、「ビジネスパーソン向けの研修をお願いしたのに演劇の訓練になってしまった…」というようなことが発生してしまいます。

もともとアート領域の教育手法であるインプロをビジネス領域を中心とする他分野へ応用するためには、インプロはもちろんのこと、それら他領域の専門家とコラボレーションし、理解しニーズを汲み取り、デザインする、まさに「応用する」能力が必要となります。欧米ではこの応用インプロの領域がどんどん広がっており、ビジネススクールではデザイン思考と組み合わせたり、企業ではダイバーシティ研修に使われたり、研究機関では科学者のコミュニケーション訓練に使われたり、医療の分野では認知症や PTSD の治療に実験的に使われたりしています。

日本でも学校教育の現場でアクティブラーニングの採用で授業スタイルの変化に対応していくためにインプロが応用され始めています。

日本即興コメディ協会は、ビジネス分野では、特にチームの心理的安全性の醸成やコラボレーション、クリエイティビティなど、VUCA と呼ばれる変化の激しいビジネス環境に対応できる企業文化の変革にインプロを応用し提供することで寄与しています。

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