日本即興コメディ協会について
即興コメディとは
私たちが考える即興コメディとは、「笑い」を目的とした即興(インプロ/インプロヴィゼーション)です。
協会について
日本即興コメディ協会は、インプロやユーモア・スキルの教育手法や研究結果を応用し、企業や教育現場に向けた研修やトレーニング事業を通して、社会に貢献する非営利団体です。
インプロとは ”improvisation(インプロビゼーション)” の略で、即興、即興ですること(即興コメディ、演劇、演奏、ダンスなど)の意味があります。そのインプロは、演劇などのトレーニング手法として確立され、教育、医療、ビジネスの分野に応用されています。それらを総称して応用インプロといいます。応用インプロには以下のようなメリットがあります。
インプロの演者(インプロバイザー)を訓練するために使っている技術やツールは、他の分野にも応用できます。このようなスキルは、心理的安全性を醸成し、相手に注意を払い、互いに話を傾聴し、影響され、アイデアを共創するのに非常に役立ちます。創造的なコラボレーションとチーム・ビルディングは、応用インプロの欠かせない要素です。
ビジネスや社会活動の現場では残念ながら、企業研修を含む現在の教育システムだけでは、対応できないようなことが多く発生しています。今までは知識や技術を習得し、マニュアルを準備し、それをそのまま活かすことを教えていました。これは工場での仕事を教えることには有益でした。しかし、世界トップクラスのビジネススクールがこぞってインプロを教育に取り入れていることからも、変化が激しく不透明な今のビジネスや社会環境では、それだけでは対応できなくなってきていることが容易に想像できます。
今、本当に必要とされているのは、チームの心理的安全性であり、それをベースとした瞬発性の高い創造のためのスキルです。私たちは人々が不確実性や即興的なことに慣れ、インプロやそれを訓練する素晴らしい方法を適用できるようにサポートする大きな使命を背負っていると考えています。
協会の目的
私たちは、ユーモアの力を使って、よりストレスの少ない、より幸せで、より生産的な社会の実現を目指します。
台本も打ち合わせもなく、トレーニングで醸成された心理的安全性をもとに、チームで協力して舞台を創る即興コメディの教育手法やそのエッセンスが、ビジネスや教育の現場に活用できると信じています。
協会概要
名称 | 一般社団法人 日本即興コメディ協会 |
発足 | 2020年7月1日 |
所在地 | 〒157-0073 東京都世田谷区砧6-27-19 笑恵館内 |
お問い合わせ・ご相談
役員
代表理事 | 矢島 ノブ雄 |
理事 | 横内 浩樹 |
理事 | 福島 梓 |
理事 | 加古 俊彦 |
監事 | 林 誠之 |
組織・会員制度
- 正会員(当法人の目的に賛同し、事業に参加する人)
- オンライン会員(当協会のニュースレターや SNS で情報を取得する人)
- メール会員(無料)
- 賛助会員
- 個人賛助会員: 1口 12,000円 1口から
- 企業賛助会員: 1口 30,000円 2口から
※ 各会員申込につきましては、こちらのフォームより気軽にお問い合わせください。
即興コメディ(インプロ)のメリット
笑いの効用
笑いには、人間関係において4つのポジティブな作用があるといわれています。
- 親和作用。笑いあうことで、相手の緊張感を取り払い、親密感を与え、人間関係を円滑にすることができます。
- 誘引作用。誰かの笑い声や笑顔につられて他の人が笑ってしまうように、笑いは人から人へと伝播し、ポジティブな雰囲気作りを促進します。
- 浄化作用。笑うと人間は副効果神経が優位の状態となり、その生理的な効果として、ストレスや怒り・悲しみなどが浄化される作用があります。
- 解放作用。笑いは既成の理論や概念に捉われない水平思考の中で生まれます。この思考法によって物の見方が柔軟になり、秩序に弾力が与えられ、精神状態にゆとりを生み出すことができます。
笑いの発生理論
一方で、笑いは主に3つの理論によって生み出されるといわれています。
- ズレ理論。価値観の変化や立場の逆転などで、物の見方にズレが生じて笑いが生まれる、という理論です。
- 優越理論。「自分は相手よりも勝っている」と思ったときに笑いが生まれる、という理論です。一方で、難しいタスクを達成したときに生まれる充実感や自己肯定感を伴う笑いも、「過去の自分と比べたときに生じる優越」であるといえます。
- 放出理論。社会の約束事によって抑圧された心的エネルギー(緊張状態)がジョークやユーモアに刺激され放出することで笑いが生まれる、という理論です。
応用インプロの使命
インプロは、すべてが即興であるゆえに、価値観の共有にズレが生じやすく、「何が起こるか分からない」という緊張感の中で始まります。そこで1つの完成されたシーンが生み出されたとき、演じる側には高い達成感と自己肯定感が生まれます。
つまり、インプロは、様々なインプロゲームやシーンの中で、3理論に基づいた笑いが生まれやすい環境にあるのです。
日本即興コメディ協会は、このようなインプロにおける笑いの可能性に特化し、それによって生まれる笑いの効果を、社会へと発信していく使命があると考えます。
出典: 1. 井上宏(1984)『笑いの人間関係』講談社,pp.200-209
2. J.モリオール(1995)『ユーモア社会をもとめて』森下伸也訳,新曜社,pp.9-67
応用インプロの効能
主な応用インプロの効能として、以下のような能力の向上が挙げられます。
- あいまいや不確実性を乗り越える能力
- 他者(人と共通認識)に気づく、他者から学ぶ能力
- 情報や知識を結合し、新しいアイデアを生み出す能力
- すばやく試す、実行移す能力
- 共創的にコミュニケーションする能力