日本即興コメディ協会のブログ

【実施レポート】ウェビナー「心理的安全性に基づく共創的コミュニケーションとは」@株式会社電通様

いやだ

いやだ

いやだ…

Microsoft Teams のチャット欄は、すごい勢いでウェビナー参加者の否定的な言葉で埋まっていきました。

安心してください。これは心理的安全性に関するウェビナーでのエクササイズの一場面の様子です。

心理的安全性ということばは、2015年にグーグル社が生産性の高いチームについて調査・研究結果を発表し、話題となりました。バズワードだと言われて数年が経ちましたが、コロナ禍によるテレワークが進むにつれ その重要性が増してきたと感じています。

2016年後半より労働環境改革に着手され、その取り組みを継続している大手広告代理店の株式会社電通では、通常業務から離れ、新しい仕事のやり方について考える特別な日「DENTSU→NEW DAY」を毎年開催しており、さまざまなテーマのセミナーやワークショップが企画実施されていました。

(詳細:dentsu 労働環境改革

今年、新型コロナウィルス感染拡大防止の観点でリモートワークを基本とする業務体制を守る同社においても、特に心理的安全性への取り組みについて関心が高くなっています。

そこで、心理的安全性アンバサダー認定講座を開催する一般社団法人日本即興コメディ協会が「DENTSU→NEW DAY」の中で希望社員に向けたオンラインウェビナー「心理的安全性に基づく共創的コミュニケーションとは」を実施しました(Microsoft Teams 使用)。

講師は、当協会理事・心理的安全性アンバサダーである福島梓、および当協会副代表でもあり心理的安全性アンバサダー認定講座の講師、インプロヴァイザー(即興演劇役者、ファシリテーター)である横内浩樹が担当。ウェビナーでは、200名以上の意欲的な社員の方々が参加されました。

心理的安全性とは

講師の自己紹介が終わり、心理的安全性研究の第一人者であるハーバード大学のエイミー・エドモンドソン教授の定義「チームの中でリスクをとっても大丈夫だ ということが チームメンバーに共有される信念」を紹介。加えて、日本即興コメディ協会としての解釈として、「心理的安全性とは、決して仲がいいとか安心安全という訳ではなく、建設的な対立を恐れず、相互信頼の上にチームとして機能している状態」であることを説明。

変化の激しいビジネス環境では特に、創造性やイノベーションに必要なリスクを取ることができ、失敗ですらゴールへのプロセスの1つとしながら「学習する組織」であることが必要、とお伝えしました。ちなみに当協会では、心理的安全性を醸成するコミュニケーション手法を「共創的コミュニケーション」と定義しています。

共創的コミュニケーションを誘う「Yes, And」

チャットでどんなコミュニケーションにおいて心理的安全性を感じるかを回答いただき、シェアした後、エクササイズを開始しました。

最初はウェビナー参加者にもわかりやすいようにスタッフの方にも協力いただき、否定・肯定・Yes, And の否定を体験していただきました。

Yes and とは、相手のアイデアや意見、感情を一度肯定的に受け入れてリアクションし、そこから生まれてきたアイデアや意見、感情を付け加えて返す手法です。Yes but や No because とは違い相手の言っていることを詳しくし、発展させながらコミュニケーションを取る手法です。相手と共通の目的を模索しながら、新しいゴールを共創していきます。

否定では、二人組で片方の提案に対して常に「いやだ」の否定で回答し続けることを実施します。

この場合、多くの方が否定するのもされるのも心地よいものではなかったと感想を述べられます。このデモンストレーションをベースにウェビナー参加者にもチャットで否定をしてもらいました。その様子が冒頭の「いやだ、いやだ、いやだ…」です。対面の1対1で否定し続けるのは、否定している側も嫌悪感が出ます。しかし、みんなで否定するとその様子自体はおもしろく、盛り上がったりするものです。しかし、集中砲火を浴びる側はたまったものではありません。否定は、下手をすれば立ち直れないほどの強力なパワーを秘めています。

否定を体験してもらった後は、同じ様にスタッフの方に協力いただき、肯定のエクササイズをデモンストレーションしました。そして、今度はウェビナー参加者にチャットで肯定してもらいました。このときは、「いいね、いいね、いいね…」の連鎖になります。

最後に Yes, And を体験していただきました。否定・肯定と同じ様にスタッフの方に協力していただいて、今度は「いいね、じゃあ◯◯しよう」、「いいね、じゃあ◯◯しよう」と二人の掛け合いになります。ウェビナー参加者から返ってきた提案から、任意の提案をひとつ選んで、講師が「いいね、じゃあ◯◯しよう」と発表し、更に提案をもらう、という形で体験していただきました。

振り返り

全体の振り返りの前に自転車の絵を使って、コミュニケーションや心理的安全性は、「わかる」だけではなく「できる」ようになることの大切さをお伝えしました。初めて自転車に乗る人がいくら自転車の乗り方に関する本を読んだとしてもすぐに乗れるわけではありません。転んだり、試行錯誤をしながら繰り返しチャレンジすることによって、初めて自転車に乗ることができるようになります。コミュニケーションや心理的安全性も同じで、繰り返し実践することで「できる」ようになります。

この日のセミナーをきっかけに、日常のコミュニケーションに取り入れていただくため、「Yes, And」の”Yes”にあたる一言を「すぐできる基本の”YES”」として、その他取り入れやすい「共創的コミュニケーション」のテクニックをTIPSとしてお伝えしました。

このお話をふまえた上でチャットには、

  • エイミーの本は持ってるけど、再度読みたくなりました
  • 知ってはいたけど、体系立てて学ぶと納得
  • わかりやすかった
  • 仕事だけでなく、子育てでも活かせそう
  • 解決社長のことを知りたい
  • 今日の資料をぜひ欲しい
  • 短時間でコンパクトにまとめて知れて良かった
  • コミュニケーションってやはり訓練なんですね…

などのポジティブな振り返りや感想をいただきました。

実施後談ですが、スタッフの方からいつもよりウェビナーの反応が活発だった、また機会を設けて実施してほしい、という嬉しいお声をいただきました。

このようなご時世のため、ウェビナーという形でQ&A含め60分という短い時間でしたが、参加者の皆さんの心の中に心理的安全性や共創的コミュニケーションが少しでも残り、日常の業務等に活用いただければ幸いです。


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