最近3つのセミナーやワークショップに運営側として参加しました。
日本即興コメディ協会として異色なのは、やはり「地域起業のはじめ方セミナー」です。コメディの協会が「起業セミナー」?と思われることでしょう。しかし、それには理由があるので、コメディの協会らしく、三題ばなしをもとにご説明したいと思います。
三題ばなしとは
三題ばなしとは、落語の形態の一種で、客席から3つの言葉をもらい、それを織り込んでその場で話を作るという即興演目のことです。一見、何も関係のないようなお題から話を作らなければなりません。今回のテーマを当てはめると、3つのテーマは「心理的安全性」、「地域起業」、「三題ばなし」となります。試しに、このテーマで三題ばなしをつくってみると。
最近、「心理的安全性」という言葉を良く耳にします。どんなことでも非難や失敗を恐れず言い合える雰囲気、という意味なのです。「三題ばなし」なんかのワークショップを実施する際にも重要な雰囲気です。このような雰囲気は、コロナ禍で変革を求められ、新たな分野で起業しようとする人や会社では、アイデアをどんどん共創しなければならないという意味でも重要です。そんな中、より良い新しい小さな社会の構築を目的とした「地域起業」が注目されています。従業員の雇用を守らなければならない、でも新しいことにチャレンジしなければならない。このような時期ですので、どちらも起業(企業)が大切です。
三題ばなしとしての出来の良し悪しは別にして、3つの関連性のないお題を半ば強引に一つ短いお話の中で関連付けてみました。そこで生まれた発想は、起業は独りで悶々と考えて進めていく方も多く不安です。そうであれば、心理的安全性の醸成を即興コメディ(インプロ)の手法を応用して組み合わせれば、ビジネスアイデアのブラッシュアップを仲間とフィードバックしあいながら可能、という関連が強引ではあるものの生まれました。
強引に関連性のないものをつなげ、ストーリーを創る、ここにブレイクスルーが生まれる、というのが三題ばなしの醍醐味ではないでしょうか。
手塚治虫の発想法
話は変わりますが、手塚治虫は、自身のマンガのアイデアをNHK制作のドキュメンタリー番組で以下のように語っています。
「とんでもないものを結びつけると、アイデアが出るんだ。落語のあのあれと一緒ですよ。三題ばなしとね。ヒットラーとゾルゲってのは、全く関係ない人物なんだけど、そこに第三者を一つ作って両方に絡ませることによって話を創っちゃおうと。そういう発想の仕方なんですよね…」 NHK, 1985(27:00 辺り)
私の大好きな手塚治虫のマンガ、「アドルフに告ぐ」は、三題ばなしの発想法から生まれたと聞くと非常に嬉しいものがあります。
ビジネスにも応用できる三題ばなしの発想法
話を戻しますと、起業と即興コメディ(三題ばなし)、全く関係のないふたつのものを心理的安全性でつなぐと、「地域起業のはじめ方」のアイデアと支援につながった、ということになりました。
一見関係のないものでも「第三者」を絡ませることによって、全く想像もしていなかったものが生まれます。ビジネスのアイデア出しにおいても、関係のないものを絡ませてみれば、新たな発想が生まれるかも知れません。ぜひ、この三題ばなしの発想で新たなビジネスアイデアを考えてみてはいかがでしょうか。
日本即興コメディ協会の社会であり地域である「心理的安全性の醸成方法を広めより良い社会を創る」を地域起業を支援することにより目指します。ぜひ、両方のセミナーにご参加をよろしくお願いいたします。