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オンラインで心理的安全性を醸成する3つのポイント

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新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、当たり前のように会議やイベントがオンライン上で開催されるようになりました。自分の顔や他の参加者がズラッと並ぶ画面やいつ話し出して良いかわからないオンライン会議にどうしても慣れない方も多いことと思います。

心理的安全性研修を実施してきた当協会ではオンラインでもその醸成に取り組んでいます。これまでの実施経験から、様々なオンライン上での心理的安全性醸成の3つのポイントは、

  • 会議やワークショップではファシリテータを必ず置く
  • ツールの使い方やコミュニケーションルールを参加者全員で確認する
  • コミュニケーションルールの延長線上にあるエクササイズ(体験)を実施する

です。様々なテクニックやティップスはありますが、まずはこの3つを試していただければと思います。それではこの3つのポイントについて、実際のオンラインワークショップ様子も含めて、見ていきましょう。

オンライン上での心理的安全性醸成の実際

Zoom の画面上には参加者全員が映し出されています。ファシリテーターの誘導で画面の向こう側のひとりの参加者が、全員に向かって自分のニックネームを言うと一斉に声にして返してくれます。これを参加者分繰り返します。参加者全員の名前が呼ばれ、全員参加、顔を見せ合い、声を出す雰囲気が少しずつ作られていきます。

次に「ミャンマーミャンマー」という思わず噛んでしまいそうな言葉を順番に言っていくゲームを実施します。1人目が「ミャンマー」というと、2人目は「ミャンマーミャンマー」、3人目は「ミャンマーミャンマーミャンマー」…というふうに間違えるまで一つずつ増やし、繰り返します。誰かが少しでも噛んだり間違えたりしたら、ゲームは終了し、失敗をオープンにし、周りはその失敗を手を挙げる仕草(リアルならハイタッチ)で認めます。

失敗を奨励するというと、どうも納得がいかない人もいるようなので、ここでは失敗をどのように開示し、認めるかのコンセンサスを作る、といったほうが良いかもしれません。失敗が率直にオープンにされれば、全員が責めることなく開示したことを認めるという決まりごとを体験的に学び、共通認識として浸透させるということです。

オンラインではファシリテータは必須

リアルな会議でももちろんなのですが、特にオンラインではファシリテータの配置は必須です。司会や会議の主催者と思われがちですが、少し違います。ファシリテータの役割はプロセスの舵取りです。ですので、毎回ファシリテーションを担当する人が変わっても構いませんし、発言を多くしたり、巧みな話術で話したりする必要もありません。参加者全員が平等に話せているか、最大限に力を発揮できているかに焦点を当て、そのプロセスを進めていきます。

特にオンラインでは、普段のリアルな会議よりも更に話す人が限定されがちです。現在の緊急事態を抜け出すためにオンラインで意見を聞いたり、アイデアを出しあったりする場合、一人の人が一方的に話していても意味がありません。どんなアイデアでも出しやすい雰囲気に誘導し、個々の参加者が最大限パフォーマンスを発揮するためにどうすれば良いかに集中します。ここで、大事なことは話されていることのクオリティやレベルに責任を持たないことです。

エクササイズに入る前の準備も重要

説明が前後しますが、ここに入るまでも事前準備をしています。ビデオとマイクのオンオフ、チャットへの書き込みの方法など、会議やワークショップの開始時に口頭や資料を使った説明だけではなく全員に実際に実施してもらいます。これはツールに慣れてもらい、オンラインリテラシーを同レベルにし、全員に障壁なく会議やワークショップに参加してもらうためにやっています。

また、コミュニケーションルールの確認も怠りません。例えば、オンライン会議でのアイデア出しで「否定しない」というルールを設けたい場合、具体的に「否定しない」ということはどういうことなのか、参加者全員が腹落ちしている必要があります。

当協会のワークショップでも Yes, And の定義を必ず共有します。「Yes, And (イエス・アンド)」はインプロ(即興演劇・コメディ)のゴールデンルールで、相手の意見や感情を一旦肯定的に受け止め、建設的に返すというものです。そして、ここでのポイントはルールづくりやその解説はもちろんですが、前述の通り、体験(エクササイズ)を通じて理解を深めることが重要です。

このように、段階を踏んで、オンライン上で少しずつ相互信頼を高めていきます。それは、「お互いを信頼しましょう」とか「貢献しましょう」という形式的な声がけだけではなく、体験を通して、その場の緊張をほぐし、失敗を開示し認め合うことで心理的安全性の高い場へと導いていく作業になのです。

世界中で蓄積され共有されるテクニックやティップス

ご多分に漏れず、当協会のワークショップも新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けています。ある意味三密を地で行くようなものなので、致し方ありません。このような状況下で、オンラインでの心理的安全性醸成のための実験的なワークショップを繰り返し実施してきました。

また、世界的な演劇やコメディなどの舞台芸術の自粛により、オンラインでのショーや役者向けワークショップなども増えています。そのクオリティもすごい勢いで向上していて、大変ありがたいことに、そこで生まれたテクニックやティップスは惜しみなく共有され、我々のオンラインワークショップにも応用されています。

まとめ

オンラインでのコミュニケーションは、何の対策もなければ築いていた信頼や関係性の貯金を切り崩していくことになりかねません。テレワーク前からの職場や会議の雰囲気がそのまま反映され、ただでさえ難しい職場でのコミュニケーションや関係性づくりは、オンラインでますます難しいものになるでしょう。

今回オンラインでの心理的安全性醸成のための3つのポイントをまずは試してみてはいかがしょうか。緊急事態宣言後もテレワークやオンライン会議の流れは続くものと考えられます。リアル、オンラインに関わらず、心理的安全性を育む努力を続けることが、失敗を認め学び合う企業文化を形成していくのではないでしょうか。

まずは、オンラインでのコミュニケーションのポイントを理解し、実践いただき、新しい働き方のヒントにしていただければ幸いです。


心理的安全性安全性アンバサダー認定ワークショップ

日本即興コメディ協会では、心理的安全性について知り、その醸成方法を広める心理的安全性アンバサダーを認定するためのワークショップを開催しています。オンラインでの実施ですので、気軽にご参加ください。

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