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海外エリートも学ぶ即興(インプロ)コメディとアクティブ・ラーニング、その可能性とは

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芸人インプロ部

祝!『芸人インプロ部』公演20回達成

前回大笑いしたのはいつですか?

第20回を迎えた、大笑い必至の即興コントショー『芸人インプロ部』を主催しております日本即興コメディ協会の加古です。

さて、お笑い芸人さんが即興コメディにチャレンジする『芸人インプロ部』ですが、早いもので今回で20回を迎えました。おかげ様で、毎回のようにリピートいただけるお客様も増え、ますます盛り上がりをみせております。20回ともなりますと、芸人さんの中には10回以上の出演を超える猛者達もいます。

芸人さんたちのチームワークも出てきてここ数回の公演は、素晴らしいものでした。しかし、20回目は、出演者、スタッフにとっては少し課題の残るショーとなってしまいました。

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20回ゆえの課題

今回の課題は、10回前後と数回の出演者に差が出てきてしまったことに原因があると考えています。即興コメディでは、通常のお笑いライブと違って、「一人がオイシイ」ということをあまり良しとはしません。ショー全体は完全なチームプレイによって成り立つのですが、個性や各演者の能力を発揮する場面の切替やそのさじ加減に差が出てしまい、ショーに最も重要なハーモニーが生まれにくい状況になってしまいました。

英語ではこのハーモニーを「アンサンブル」と言うそうです。10年以上、インプロのショーをやっているチームでも時には、なかなかこの「アンサンブル」を紡ぎ出せないこともあります。ある意味レベルの高い課題であるといえます。

良い課題というものもある

今回の課題ですが、私はポジティブにとらえています。

それは、初めて『芸人インプロ部』に出演してくれた時、ほぼ下を向いてなかなかコントに飛び込むことのできなかった芸人さんが、今回の課題に対して気づき、熱く語ってくれたこと。今ではショーに欠かせないスパイスとなり、アンサンブルのないシーンを必死に変えようとしてくれていたこと。ショーとしては10回前後の出演は多いと感じられると思いますが、インプロの訓練としては決して多くない回数でここまで成長してくれたこと。

その芸人さんの振り返りで、即興コメディを通じて多くのことに気づき、学んで、成長してくれていることによる課題であり、悩みだと感じました。

アクティブ・ラーニングとしての『即興(インプロ)コメディ』

前置きが長くなってしまいましたが、ここで日本アクティブラーニング協会 理事長 相川秀希氏のインプロを例にした記事をご紹介したいと思います。

MIT Sloan Management Reviewに今春掲載された“Learning the Art of Business Improvisation”という記事にも、急速な変化への対応とイノベーションが求められるビジネスシーンにおいて、クリエーティブに問題解決を行っていくためには、インプロが必須と書かれている。

…インプロを活用した教育は、創造性を養うだけでなく、想定外への対応力を高めるために有効だ。

出典:東洋経済ONLINE, 2016年06月25日 『海外ビジネスエリートはなぜ演劇を学ぶのか

以前に私も海外エリートが即興コメディワークショップを受講していることについて別サイトの記事で紹介しました。海外ビジネスエリートがなぜインプロを学ぶのかについて語られています。

今回の記事で私の興味を惹いたのは、インプロがアクティブ・ラーニングの好例として紹介されたことです。大きくアクティブ・ラーニングとくくられてしまうと、インプロはその一部であったり、似たようなものであったり、その立ち位置はまちまちでした。

日本アクティブラーニング協会のトップの方がアクティブ・ラーニングの最たる例としてインプロを取り上げていただいたことは、大きな意味を持つと考えます。

即興(インプロ)コメディを継続する意味

さて、前置きに戻りますが、今回『芸人インプロ部』で発生した課題。これはアクティブ・ラーニングである即興(インプロ)コメディの成果でもあります。

例え、1時間半のショーであっても、月1、2回繰り返し経験することにより成長することがよくわかりました。ほんの1、2秒前に聞いたお題に対し、創造性が豊かにストーリーを途切らせることなく仲間やチームを輝かせるために、満員のお客さんが注目する舞台に向かって一歩前に出る勇気を持つことができるようになるのです。

記念すべき20回目の公演では、残念ながらインプロを数回しか経験できていない芸人さんとアンサンブルを上手く作ることはできませんでした。しかし、すでに今後の課題として反省し、それらを吸収して更に良いショーを作って行ければ良いと思っています。

今後の芸人さんたちの成長にぜひご期待ください。

地図よりもコンパスを持とう!

前述の記事は最後にこう締めています。

Compasses over Maps(地図よりもコンパスを持て)。AI(After Internet)時代に求められる基本原則として、MITメディアラボが発信した9つのフレーズのうちのひとつだ。

急速に変化する世界の地図はすぐに書き変わってしまう。先を見通すことができない時代だからこそ、地図を作るのに時間とコストをかけるのではなく、自分の中にコンパス(羅針盤)を持つべきという考えだ。

出典:東洋経済ONLINE, 2016年06月25日 『海外ビジネスエリートはなぜ演劇を学ぶのか

我々はビジネスや人生において精密な地図を作ってきました。お笑いでも一般的な漫才やコントは精密な地図を作ります。しかし、今は、この地図が歩いているそばから書き変わってしまうような時代になってしまいました。

正確な地図がなくても、その先に何があるかわからなくても、半歩でも踏み出す勇気、そして何か起これば瞬時に対処する術を身につける必要はないでしょうか。

今回、私はお笑い芸人さんたちのインプロを通した成長から大切なことを学ぶことができました。即興コントの舞台でなくとも、即興を求められる時代です。何でも海外エリートのマネをすれば良いというものではありません。しかし、精密な地図が意味をなさないことが多いことを認め、試しに新しい学びにチャレンジしても良いのではないでしょうか。

とは言っても即興(インプロ)コメディのワークショップに参加するのは勇気のいるものです。まずはどんなものか観てみようという方は、ぜひ毎月2回開催しております、『芸人インプロ部』に足を運んでください。皆さまのご来場を心よりお待ちしております。

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