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あの『冬彦さん』も即興から生まれた!イノベーションを可能にする雰囲気作りとは

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即興 コント 芸人インプロ部 Vol16

日本即興コメディ協会主催の即興コントショー『芸人インプロ部 Vol.16』で神シーンを目撃し、またまた大笑いして帰宅した、加古です。

即興コメディショーでは、一言のセリフによってそのシーンがガラリと展開し、昨日のような神がかり的な場面が生まれることがあります。

今回のショーでは、後半の45分間をノンストップのシーンにしました。めまぐるしく展開が変わる中で、独白からスタートする設定が与えられました。演者は食品工場に働くミュージシャン志望の従業員、その社員を知人のテレビ局の社長に会わせようとする食品会社の社長、そしてそのテレビ局の社長、と5分にも充たない時間で物語が展開されていきます。

前半の3分は独白のアイデアからの展開さぐり、どこを終着点にするかを演者は探り合っている状態でした。しかし、3分13秒あたりで奇跡が起きます。居酒屋に入った3人のやり取りから、食品会社の社長が「じゃぁ、今日良かったら前田を置いていきましょうか?」というセリフが発せられます。この瞬間展開のスィッチが押され、その後のミュージカル、男と男の関係、と一気にエンデイングへ。。。

今後の即興コントショー『芸人インプロ部』につきましては、イベント紹介ページ をご覧ください。

『冬彦さん』は即興から生まれた

前置きが長くなってしまいましたが、時としてイノベーティブなシーンは、一言のセリフからもたらせられる事があります。

佐野史郎さん演じる『冬彦さん』の常軌を逸した演技で高視聴率を稼いだ伝説的なドラマ『ずっとあなたが好きだった』は、私の記憶にも強烈な印象があります。実は、即興のワンシーンがドラマ全体に影響を与えていたとのことです。

とあるワンシーンで、冬彦さんが指から出血したカットがありました。そこで彼の母親役を務める野際陽子が突然、口でその血を止血して見せたのです。かなりセンセーショナルな場面だったため、当然、周到に準備されたプロットの一部だろうかと思いきや、実は野際のアドリブだったのだとか。
それを見たプロデューサーが「この方向性でいこう!」と決意して急遽、冬彦さんのマザコンキャラ押しを始めたのです。
出典: Excite ニュース, 2016年4月28日, 「冬彦さん」誕生のきっかけとなった野際陽子のアドリブとは?

このマザコンキャラ押しが功を奏し、初回放送時13.0% だった視聴率は、34.1%の高視聴率で最終回を迎えたとのこと。

『ずっとあなたが好きだった』から学ぶイノベーション

あの母親役の野際陽子さんとのシーンは、台本にない即興だったとのこと。良い役者さんは、役に入り込むことにより、台本があっても自然にこのような即興を演じる(演じてしまう)ことがあります。この即興が後の大ヒットを生むわけですが、このエピソードの中にイノベーションに関する知見が散りばめられています。

1) 野際陽子さんのオファーを受け取った佐野史郎さん

野際陽子さんの即興もすごいですが、冬彦さん演じる佐野さんが野際さんの台本にない指の血を口で止血するという行為(提案)を見事に受け入れ演じ切ります。この即興で、もし佐野さんが「えっ、これ台本にないですよ」と受け入れていなかったら、その後のヒットは無かったのかも知れません。提案もさることながら、オファーを受け取った佐野さんも素晴らしいと感じました。

2) 当初の計画(アイデア)を捨てたプロデューサー

たった一つの印象的な即興で興ったシーンで当初の計画(ロミオとジュリエット的な恋愛ドラマ)を捨てマザコンにフィーチャーしたドラマに切り替えたプロデューサーの柔軟さが素晴らしいと感じました。テレビも厳しい時代を迎えていると言われていますが、この時代にはプロデューサーの自由な発想や雰囲気があったのではないかと思いました。

3) 即興を許し、そのアイデアを活かす雰囲気

実際の撮影現場がどのような雰囲気だったかはわかりませんが、台本にないシーン展開を許す、当初の計画を捨て、アイデアを付け足していくなど、元の計画や指示だけに縛られない、フラットで自由な雰囲気だったのではないかと想像できます。この参加者全員で良いモノを作っていくという雰囲気が素晴らしいと思いました。

マーティン・スコセッシはほとんど話の筋だけの台本で映画を作ると言われています。演者はその役になりきり、自らセリフを即興で絞り出し、1本の映画を作ります。

これらイノベーティブな即興コメディショー、ドラマや映画の撮影現場で共通することは「突飛なアイデアをも受け入れる雰囲気がある」ということです。

アイデアが無い、アイデアが出てこない

先日、あるコンサルティング会社の社長さんとお話する機会がありました。コンサルテーションの一環として、アイデア出しの会議をするそうですが、クライアントによっては、アイデアが全く出てこない会社があるそうです。

私はアイデアがない会社や社員さんはいないと思っています。アイデアの出し方や出して良い雰囲気がその会社に根付いていないことが原因だと思われます。

即興コメディアンが45分もの間、即興コントを続けられる理由

もし、このような雰囲気であれば、即興コメディのワークショップが非常に有効です。即興コメディ(インプロ)では、数百と言われているゲームを駆使し、即興でシーンを進めるための訓練を行います。

参加者の精神的安全性を確保し、参加していな人を作らず、時には言葉を奪い、身体だけで表現させることもします。計画的ではなく即興的であり、身体を生産ではなく表現に使い、独りではなく常にチームで発想するなど通常の組織とは正反対ではありますが、正反対であるからこそより深い学びと影響をもたらすことができると考えています。

心理的安全性を確保した上で「創造的思考力」を鍛えるユーモア・スキル講座

当協会が提供するユーモア・スキル養成講座でも笑い合える雰囲気、心理的安全性を確保した上で、「創造的思考力」、ユーモアを感じ取る(生み出す)ために視点を変えて思考する能力を鍛えます。

ワークショップ情報:「心理的安全性」の作り方を【 ユーモア・スキル養成講座 】で学ぶ

この機会にイノベーションを導き出す雰囲気に触れてい見るのはいかがでしょうか。

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